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★2012-12-8★
ISO39001と中央道トンネル事故  その2

 12月2日に発生した、中央自動車道笹子トンネルの事故について、いろいろ報道され事実が少しずつ判明してきましたので、私見ですが第二弾を書きますね。

 中日本高速会社は、ISO39001に取組み途中で10月19日にNASVA(自動車事故対策機構)」が開催した「第7回 NASVA安全マネジメントセミナー」においても、自社のISO39001への取り組み内容を発表されていましたね。

 高速道路を設置、維持及び管理する組織としてISO39001に取組むことは非常に素晴らしいと思っていました。

 ISO39001への取り組み内容も次のように発表されていました(発表されていた取り組み内容は一部だと思いますが)。

 ハード対策として
  ・速度抑制対策
  ・車線逸脱対策
  ・逆走対策  等

 ソフト対策として
  ・交通情報等の情報板の設置
  ・ハイウェイラジオ
  ・パトロールカーの巡回
  ・パンフレット、チラシによる啓蒙
  ・交通安全セミナーの開催  等

 すべて、素晴らしい取り組みと思います。

 ただ、残念なことに、以上の一連の取り組みの着眼点は、道路を使用するドライバーのヒューマンエラー対策ですね。

 このことは、食品製造業に例えると(私は、ISO22000の審査員でもあります)、製造した食品の保存方法をくどいくらいパッケージに表示したものの(購入者が冷蔵保存が必要な製品を常温で保存し腐食しないために)、自社の食品製造過程での衛生管理に無頓着なことみたいですね。

 今回の中央自動車道でのトンネル事故は、ドライバーの行動に起因するものではなく(ドライバーのヒューマンエラーではなく)、中日本高速道路会社が管理する設備(インフラ)によるものですね。

 交通事故の発生要因はすべてドライバーの行動によるものではありませんので、その辺の着眼点が必要だったのかもしれません。

 現にISO39001の “6.3パフォーマンスファクタ” にもズバリの項目が挙げてありますね。もちろん、当該項目に対しても中日本高速道路会社は何らかの取り組みはされていたと思われますが。

 もう一つ残念なことは、2000年には打音検査を実施していた事実です。この検査で異常が見つからなかったので、それ以後は打音検査を未実施だったようですが、なぜ、2000年に打音検査を実施したのでしょうか?

 あくまで私の推測ですが、1999年に山陽新幹線のトンネルでコンクリート片が落下した事故がありましたよね。その当時、私のコンサルタントの師匠は奥様から「ゼッタイ、新幹線で窓際に座らないでね」ときつく言われていました。このことはどうでもよいのですが。この事故をきっかけに高速道路のトンネルも打音検査をされたのではないでしょうか。

 私は以前、ヒューマンエラー研修の講師を担当した際、ヒューマンエラーを起こしやすい人物像の一つとして、「物事の類似性に気が付かないヒト」を挙げておりました。

 2000年に打音検査を実施したきっかけが、仮に私の推測通りだとすると、その時は「物事の類似性に気が付いていた」のですね。そこが惜しいです。残念です。なぜ、そのまま継続して実施できなかったのか。

 この件について、私は中日本高速道路会社を責めることは出来ません。なんといっても、ISO39001の取り組み途中ですし、何らかの問題意識や改善意識があるからこそ、この時期(ISO39001発行間もない時期)に、ISO39001へ取組んでいるのですから。
 私を含めて他の高速道路会社も中日本高速道路会社を非難することはできないでしょう。ただ、今回と同様の事故が発生しないための再発防止策が必要ですね。

 中日本高速道路会社にとっての再発防止(是正処置)は、正にISO39001(道路交通安全マネジメントシステム)への取り組みではないでしょうか?

 再発防止策として、ISO39001への徹底した取り組みが期待されます。

★2012-12-8★

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