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★2012-12-10★
現在、認証取得のISO39001は、正式な認証なのですか?
 

 日本国内において、既にISO39001を認証取得している組織がありますね。それらは、一般的に、「ローカル認証」「プライベート認証」と言われています。

 その審査登録機関独自の基準で認証されているということですね。

 要するに、審査を担当した審査登録機関にとっては正式認証ですが、ISO(スイス ジュネーヴ)からみると正式認証と言えるのかは疑問が残ります。

 正式なISO認証の仕組みを簡単に説明すると次のようになります。

  ① ISO:国際標準化機関(スイス:ジュネーヴ):世界に一つ
            ↓
            ↓
            ↓
  ② 認定機関:各国に原則一つ(日本ではJAB、英国はUKAS、米国はANAB)
            ↓
            ↓ 認定機関が審査登録機関を認定
            ↓
  ③ 審査登録機関:日本で活動しているISO審査登録機関は、約90?
    (JQA、JACO、JUSE、DNV、SGS、JICQA、BSI等)

 上の説明の中で、日本では “② 認定機関” が決定していないのです。

 先週、ISO39001策定の議長国であり、その事務局が置かれているスウェーデン規格協会(SIS)のプロジェクトリーダーとのメールのやり取りでは、認定機関として現在活動しているのは、ISO39001策定の議長国であるスウェーデンのSWEDAC(スウェーデンの認定機関)だけであり、その世界で一つ(2012-12現在)のスウェーデンの認定機関であるSWEDACに対して、審査登録機関として認定を申請中なのが、スウェーデンの審査登録機関である、Narkefraktだそうです。

 このNarkefraktという審査登録機関が、SWEDACから認定され、NarkefraktにおけるISO39001審査登録第一号が、真の意味での「ISO39001の正式な認証取得」なのかもしれませんね。

 では、日本の審査登録機関が実施する(認定機関からの認定なしに)、「プライベート認証」「ローカル認証」は、意味がないのでしょうか?

 決して、そのようなことはありません。逆にこの時期だからこそ意味があると思います。以前のブログ(2012-12-7 信頼できるISO審査登録機関)にも書きましたが、“この時期にISO39001審査を実施若しくは検討されている審査登録機関は、皆、健全なISO39001マーケット構築のために思案されている審査登録機関だと思います。” だからです。

 この時期に活動しているISO39001は、正直、利益は出ていないと思いますが、ISO39001審査に対応しているのです。そのような真摯な(と思われる)、ISO審査登録機関の、「プライベート認証」「ローカル認証」は、いくら審査登録機関独自の基準での審査実施と言っても、適切な基準のもとにISO39001審査が実施されているモノと信じます。

 今後、ISO39001に取組む組織が膨大?になり、ISO39001審査を実施する審査登録機関が乱立してくると、「プライベート認証」「ローカル認証」しかない場合、商売目的や審査登録料金を引き下げる目的で、審査工数を大幅に削減するISO審査登録機関が出現するものと思われます。例えば、通常のISO39001の第二段階審査(本審査)であれば、審査工数=4人日(2人の審査員が2日:2人×2日)のところを半分の2日で済ませてしまう可能性があります。

 このような事態になると、適切な基準を策定し、その基準に沿った審査を実施するためには、前述の “② 認定機関” が必要になりますね。日本で認定機関が無いのであれば、SWEDACの認定を受けなくてはならなくなる可能性があります。

 また、商売目的のISO39001審査登録機関が乱立し、認定機関が無い状態だと、審査工数だけの問題ではなく、審査員の「質」や審査の内容もヒドイ場合も考えらえるでしょう。
 もちろん、審査登録料金が低廉でも、適切な審査を実施している審査登録機関もあると思いますが。

 今後、ISO39001取組組織が増え、審査登録機関として「プライベート認証」「ローカル認証」のみでISO39001認証を安易に乱発すると、ISO39001の価値を衰退させ、価値を落としていくことになりますよね。

 認定機関が決定していない日本では、ここしばらくは「プライベート認証」「ローカル認証」でいく審査登録機関が殆どでしょうが、逆に、この時期にブランドを作ってしまえば、適切かつ効果のでるISO39001を広めることができるかもしれませんね。

 例えば、「審査登録機関AのISO39001審査は、認定機関より正式認定受けている審査登録機関Bの審査より、よほど、効果があり信頼できる審査だね。だから、審査登録機関Aで認証取得している、運送業者C社のISO39001は信頼できるね」という具合です。

 このことは、私がブログに書くまでもなく、現在、ISO39001審査実施に手を挙げている審査登録機関の共通した想いでしょう。

 現在、ISO39001審査実施に手を挙げている審査登録機関の方、適正なISO39001マーケット推進のために頑張ってください。

★2012-12-10★

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